Diorを彩った歴代デザイナーたち―エディ・スリマンとクリス・ヴァン・アッシュが刻んだメンズラインの軌跡
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1946年にクリスチャン・ディオール自身が創立したメゾンは、創設者の死後、多くの才能あるデザイナーたちにその「顔」を引き継がれてきました。イヴ・サンローランからジャンフランコ・フェレ、そしてジョン・ガリアーノやラフ・シモンズ、現在のマリア・グラツィア・キウリまで、それぞれの時代の空気を纏いながらブランドの伝統と革新を体現してきました。
その歴史の中でも、2000年代のメンズラインにおいて特筆すべき存在が、エディ・スリマンとクリス・ヴァン・アッシュの二人です。
エディ・スリマン ― Dior Hommeの誕生とスキニーサイズの革命
2000年、エディ・スリマンはメンズウェア部門「Dior Homme」の初代アーティスティック・ディレクターに就任しました。彼が提示したのは、それまでのメンズファッションの常識を覆す極端にスリムなシルエットです。細身のスーツやライダースジャケットは、ロックスターやミュージシャンたちを魅了し、2000年代のメンズファッション全体のトレンドを大きく変えました。スリマンのDior Hommeは単なる服作りを超え、音楽やアートシーンとの結びつきを強く打ち出した点でも革新的であり、後のブランドイメージの礎を築いたと言えます。
クリス・ヴァン・アッシュ ― 継承と洗練
2007年、スリマンの後任としてDior Hommeを引き継いだのがクリス・ヴァン・アッシュです。彼はスリマン時代に確立されたスリムなシルエットを土台にしながらも、よりウェアラブルで洗練されたスタイルへと進化させました。ストリートカルチャーとクラシックなテイラリングを融合させる手法は、その後のメンズファッション全体にも影響を与え、2018年からはDiorのメンズウェア全体を統括するアーティスティック・ディレクターとして、ブランドの新たな時代を築きました。
エディ・スリマンが切り拓いた革新と、クリス・ヴァン・アッシュが磨き上げた洗練。この二人のデザイナーの手腕によって、Dior Hommeは単なるメンズラインという枠を超え、モード史に残る存在となりました。歴代のデザイナーたちが築いてきた伝統を踏まえながらも、常に時代の空気を捉えて進化を続けるDiorの姿勢は、これからも多くのファッションファンを魅了していくことでしょう。